ロンドンでピアノを弾いてみる


前回ブログの続き…

ロンドン メトロポリタンオーケストラとのレコーディングでの出来事。
レストランのガラス越しに、優雅にカッコ良く一人でお食事を楽しんでいたピアニストのアランを偶然見かけました。あ!アランだ!と、彼に引き寄せられるように、私は食事するわけでもなく、レストランに入り、少し話しました。
今日、いい練習室を見つけたんだよ!と。アラン。
今日は、そこで練習したんだけど、バスを降りたら、クリスマスツリーが綺麗で…。と、話してくれました。
いいなー。私も、弾きたいなー…。

次の日、また、アランに会った時、
「ユキミ、ピアノを弾きたいんじゃないかな?」と。うー〜ん…。すっごい弾きたいけど、レンタル料が、1時間、¥6000と聞いていたから、ちょっと、私には高いし、、、。いや〜、そうですねえ〜…。笑。と、ごまかしていたら。
「いや、僕は、真剣に言ってるんだ。もう、何日も弾いていないだろ。」と。
私をピアニストとして、対等に扱ってくれたそんなアランの心遣いに感謝し、本当はすごく練習に行きたい事を伝えました。

だけど、問題が。ロンドンで、私の携帯のWiFiがなぜか機能しなく、フリーWiFiですら、使えないのです。偶然にも持ち合わせていたガイドブックを使って動いていました。
唯一、使えるWiFiを見つけたのですが、私の滞在先の建物が工事を始めた日から、急に使えなくなってしまい…。道を歩いていると、どなたかのお家の前で、急にWiFiが繋がり、ピン、ピン、ピン、と、メールが一気に入ります。

そんな状況で、GPSを使っての移動が難しい事を伝えると、アランは、五線紙の裏にとっても分かりやすい地図を書いてくれ、しかも、バスカードをくれました。
これを使ってバスに乗っていきなさい。
と。頂いた地図には、きっと、いつもこれで譜面を書いているのだろうな、と、イメージできるような暖かみのある濃いめの鉛筆で、バスのルート、降りる場所からスタジオまでの道のり、目印の建物などが、分かりやすく記されていました。なんて優しい方なのでしょう。

福岡空港を出る時、みんなにお土産を買って行こうと思いましたが、あー、これ、荷物になるなー。と思い、アランにも、みんなと同じように
「白い恋人」の小さいクッキーを買って行った事を、ちょっと、後悔しました。次、もしニューヨークでまた会えたら、その時は、もっと何かお返ししよー。と。

クリスマスのイルミネーションも、すごく綺麗だから、楽しんでおいで。
と、送り出してくれたアラン。
グーグルマップじゃなく、人の暖かみのある地図を見ながら出かけるのは、初めて一人で行く場所でも、なんだか、地図を見るたび、応援してもらっているような、心強い気持ちになります。
初めて乗ったロンドンの二階建てバス。ワクワクしながら、もちろん、二階へ直行。無事、アランが書いてくれたスタジオへたどり着き、思う存分ピアノを弾きました。

おー、なんて、うるさいピアノなんだ。笑
生まれて初めて、こんなにうるさいピアノを弾きました。なんと説明するべきでしょう…。とにかく、どう弾いても、音色が聴こえず、途中から頭痛が…。
これが、ロンドンのピアノ事情か…。
何の会社か分からないピアノの蓋を全部しめ、上から私が着ていたコートとマフラーをかぶせ、消音に消音を重ね、耳栓をして弾きました。

いったいアラン、どうやって弾いたんやろうかー。と。

帰り道、5時には日が暮れ、真っ暗なロンドンの街を明るく綺麗にキラキラ光り輝かすクリスマスイルミネーションを観ながら、アランが言ってたの、これかー😍と、ワクワクしながら、また、アランが書いてくれた地図を見ながら帰りました^_^

後からの話、どうやらアランは、別のピアノを弾いたようでした。そういえば、私のレンタル料、だいぶ安かったなー。